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成年後見監督人

親族が後見人に選任されるケースが以前に比べて減少し、逆に専門職後見人(司法書士・弁護士・社会福祉士)が選任されるケースが増えています。
それでも一定数は親族後見人が新たに選任されており、また、既に就任している親族後見人の方も数多く存在します。

そんな中、主に親族後見人が就任しているケース(新たに選任されるケースも含む)を中心に、「成年後見監督人」(保佐監督人や補助監督人を含む)が選任されるケースが増加しています。

成年後見監督人とは何か

成年後見監督人とは、文字通り、成年後見人を監督する立場の人で、裁判所に選任されて就任します。
成年後見が開始すれば必ず監督人も選任されるのではなく、家庭裁判所が「必要があると認めるとき」に選任することになります。
本人やその親族、成年後見人の請求があった場合のほか、家庭裁判所が職権で選任する場合もあり、最近増加しているのは、家庭裁判所が職権で選任するケースです。

一般的に、法律の専門家である司法書士や弁護士が成年後見監督人に選任されます。

後見後見監督人が増加している背景

多くの後見人等は、適正に財産管理を行っていますが、中には、不正な行為(横領等)や不正とまではいかないものの不適切な財産管理を行っている人もいます。
最高裁判所の調査によれば、平成26年の1年間に成年後見人による横領事件が800件以上、総額で56億円以上の被害が出ています。
これらの事件の9割が親族後見人によるものでした。

専門職後見人が横領をすれば大きく報道されますが、その他にも報道されないところで多くの被害が発生している現状があります。
しかし、専門職と違って親族後見人には、家庭裁判所以外の監督機関(司法書士会や法務局、弁護士会等)や監督制度(成年後見センター・リーガルサポート等)もなく、名簿登載制度やその前提となる研修制度も存在しません。

横領が発覚すれば、その後見人等は民事上・刑事上の責任を負うことになりますが、必ずしも被害回復は容易ではありません。
そのため、被害を未然に防ぐ(少なくとも被害が拡大する前に発見する)ことが重要になります。

しかし、何千件、何万件とある親族後見案件を、家庭裁判所が全て細かくチェックすることには限界があります。
そこで、家庭裁判所は積極的に監督人を選任し、監督を強化するようになったようです。

どんなケースで選任されるのか

以前のように、成年後見の件数がそれほど多くなかったときは、特に監督が必要なケース(報告が滞っている場合や、不正が疑われる場合等)や、利益相反行為をする必要があるケース(後見人と被後見人で遺産分割協議をする場合等)に選任されていました。
ところが、後見制度利用者が増え、家庭裁判所の監督も追いつかなくなり、それに伴って横領被害も増加した最近では、本人に一定以上の資産がある場合を中心に、特に不適切な管理がなされていないケースであっても選任する扱いが増えています。

大多数の親族後見人は不正など行っていませんので、必然的に、「不正を行っていない親族後見人に監督人が付く」というケースが大多数になってしまいます。
そのため、監督人がつけられた親族後見人の方から、「今まで真面目に財産管理してきたのに、裁判所から不正を疑われているようで不愉快だ」という声もよく聞きます。

一部であっても不正を行う人が実際に存在しており、それを見逃すことができない以上、適正な財産管理を行っている方々にしわ寄せがきているといえるかもしれません。

成年後見監督人は何をするのか

後見監督人の職務として法律(民法851条)に定められているのは、次のとおりです。

  1. 後見人の事務を監督すること。
  2. 後見人が欠けた場合に、遅滞なくその選任を家庭裁判所に請求すること。
  3. 急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること。
  4. 後見人又はその代表する者と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表すること。

また、一定の行為については、後見人は、後見監督人の同意を得なければなりません。

監督人が選任されていないケースでは、事務報告は直接家庭裁判所にしますが、監督人が選任されると、後見人等は、監督人に対して報告し、監督人がそれに基づいて家庭裁判所に報告します。
一般的に、家庭裁判所による監督よりもきめ細やかな監督がなされることになりますので、報告もこまめにする必要があります。

具体的な後見事務の方法については、監督人の指示に従うことになります。

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