後見の終了時にすること
後見が終了するのはどんなときか?
後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)に就任した後、いつかは後見人等としての任務が終了することになります。
後見が終了するのは、次のような場合です。
- 本人や後見人等が死亡したとき
- 後見開始の審判が取り消されたとき
- 後見人等が辞任したとき
- 後見人等が裁判所から解任されたとき
- 後見人等が欠格事由に該当したとき
後見開始の審判が取り消されるのは、本人の判断能力が回復した場合が典型例です。
その他、成年被後見人の判断能力がやや回復して保佐や補助相当となれば、申立てにより保佐・補助開始の審判を受けることができ、この場合、先行する後見開始の審判は取り消されます(被保佐人に後見・補助開始の審判を受けた場合や、被補助人が後見・保佐開始の審判を受けた場合も同様です)。
なお、「欠格事由」は、民法847条に次のように規定されています。
- 未成年者
- 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
- 破産者
- 被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
- 行方の知れない者
後見の計算
後見の任務が終了したとき、2か月以内にその管理の計算(後見の計算)をしなければならないと定められています。
後見の計算というのは、後見人に就任していた期間の収入と支出について計算し、財産の変動と現状を明らかにすることです。
具体的には、収支をまとめたうえで終了時の財産目録を調製し、それを本人の相続人等に報告します。
終了の登記
後見人が辞任した場合などは、終了の登記は裁判所の嘱託でなされますが、本人の死亡で後見が終了した場合は、「終了の登記」の申請をしなければなりません。
その他
当然ですが、預かっていた本人の財産を本人の相続人等に引き渡さなければなりません。
また、家庭裁判所に終了報告をする必要があります。
さらに、後見人の任務が終了したからといって、急にすべての事務を終結させてしまっては、本人やその相続人に損害を与えてしまう可能性があります。
そこで、急迫の事情があるときには、財産を引き渡すまでに必要な事務処理をしなければなりません(これを応急処分義務といいます)。
親族後見のご相談
自身が後見人に就任していた方が亡くなった場合、全ての事務処理をおわらさなければ後見人としての仕事も終わりません。
また、自身が相続人である場合は、様々な相続手続も必要になります。
当事務所では、親族後見人のサポートの一環として、死後事務のサポートも行っております。
親族後見人として何か困ったことがあれば、成年後見の専門家である当事務所にご相談ください。