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交通事故と成年後見

交通事故で「精神上の障害」を負ったときは?

成年後見制度は、認知症等により判断能力が衰えた高齢者の方に多く利用されていますが、高齢者のためだけの制度ではありません。

認知症以外では、交通事故被害に遭った方に利用されることがあります。

交通事故で傷害を負った場合、特に後遺障害が残らなければ成年後見の問題は生じません。
また、不幸にも後遺障害が残った場合でも、それが身体的障害であれば、どんなに高い後遺障害等級が認定されていても、成年後見制度を利用することはできません(任意後見及び財産管理等委任契約の利用を検討することができます)。

しかし例えば、交通事故で脳に損傷を負って高次脳機能障害(器質性精神障害)を生じる場合や、交通事故を起因とする非器質性精神障害が残る場合があります。

脳(後遺障害等級表においては、「神経系統又は精神の障害」)の後遺障害は、重いもの(介護を要するもの)であれば施行令別表第一の1級1号や2級1号、それより軽くても、3級3号、5級2号、7級4号、9級10号に該当する可能性があります。
そしてこれらは、民法に規定された成年後見等の要件である「精神上の障害」にあたりますので、成年後見制度を利用することが可能となります。

この場合、後遺障害等級認定の後に加害者に対して損害賠償請求の問題と、本人について成年後見人等の要否という問題の両方を検討する必要があります。

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後見人等が必要な理由

常時あるいは随時介護を要するような後遺障害(1級・2級に相当)が残った場合、後見人の選任が必要である可能性が高いかもしれません。
常時介護は必要でなくとも、判断力等の知的能力の低下がみられる場合(3級~9級に相当)、財産管理やその後の手続を行うために後見人(または保佐人・補助人)を選任する必要があるかもしれません。

当然のことですが、後遺障害等級認定を申請したり加害者に損害賠償を請求したりするのは、被害者が行うことですので、家族が訴えを提起したりすることはできません。
つまり、本人に代わって適切に手続を行う(あるいは、本人に代わって専門家に委任する)ための法定代理人(後見人等)が必要となるわけです。

さらに、後遺障害が認定された場合、多額の損害賠償金を入手する可能性があります。
例えば、別表第一の1級が認定された場合、自賠責保険の後遺障害部分の保険金だけで4000万円(上限)となります。
1級~3級の労働能力喪失率は100%ですので、逸失利益はかなり大きくなり、それに伴い損害賠償額もかなりのものになる可能性があります。

この多額の賠償金を適切に管理する人が必要になります(なお、この賠償金は本人の財産ですので、家族であっても勝手に使うと横領となることがあります)。

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ご家族が交通事故で脳(精神)の後遺障害が残った場合のご相談

当事務所は、成年後見業務を専門とする司法書士であると同時に、交通事故(後遺障害等級認定申請)業務を専門とする行政書士でもあります。
実際に、交通事故の被害に遭った方の後見人等に就任している実績もあります。

ご家族が交通事故に遭い、脳(精神)の後遺障害が残った場合、今後の手続の進め方、将来のこと、色々と不安も多いかと思います。
まずは、当事務所にご相談ください。
成年後見と交通事故の専門家が、様々な問題について必要な手続を整理し、総合的な解決をお手伝います。

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