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後見人就任時にすること

正式に就任するまでの流れ

後見開始の申立てをして、その申立てが適当と認められると、しばらくして(事例によって異なりますが、1週間~数か月後)「後見(保佐・補助)開始の審判」がされます。

家庭裁判所が審判をすると、それを告知するため、「審判書」という書面が特別送達郵便で成年後見人(保佐人・補助人)に送達されます。
成年後見人に審判書が送達されたとき(保佐や補助の場合は、本人と保佐人・補助人の両方に送達されたとき)から2週間が経過すれば審判が確定します。

審判が確定した段階で、正式に後見人等に就任したことになります。

登記事項証明書の入手

後見開始の審判があると、後見人の住所や氏名、保佐や補助の場合は代理権や同意権の内容が登記されます。
後見登記は、審判が確定してから2週間程度で登記が完了しますので、東京法務局後見登録課に郵送請求するか、各地の法務局の本局(大阪であれば天満橋にある大阪法務局)に「登記事項証明書」を請求して交付を受けておきます。

登記事項証明書は、自己が後見人であることを証明するものですので、後見事務を行う場合は必ず必要になるものです。
この証明書自体に有効期限等はありませんが、証明書を提示する相手によっては「3か月以内の証明書」といったふうに最新のものを要求されることがあります。
証明書の入手にも手数料(550円)が必要ですので、証明書を入手したら、証明書を提示(提出)する必要がある手続きは一気にしてしまいましょう。

登記事項証明書は、原本の提示(コピーの提出)で足りる場合と、原本の提出を求められる場合がありますので、予備も含めて2~3枚入手しておくと便利です。

なお、登記事項証明書が出来上がるまでには少し時間がかかりますので、それまでに必要な手続きがある場合は、「審判書」と「審判確定証明書」(家庭裁判所で入手)をセットで提示すれば登記事項証明書の代わりになります。

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さらに詳しく知りたい方は、こちらのページも併せてどうぞ。

財産目録の作成

後見人に就任すると、「遅滞なく」本人の財産を調査し、1か月以内に財産目録を作成しなければなりません。
財産目録を作成して裁判所に提出するまでは、「急迫の必要がある行為」以外をすることができません。

適切な財産管理がなされるよう、就任時の財産をきちんと報告しておかなければならないのです。

なお、初回の財産目録だけでなく、その後も裁判所には定期的に報告書に財産目録を添付して提出しなければなりません。
したがって、常に帳簿を作成して収支を把握しておかなければなりません。
就任した時に帳簿の準備もしておきましょう。

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収支予定の作成

民法では、「後見人は、その就職の初めにおいて、被後見人の生活、教育又は療養看護及び財産の管理のために毎年支出すべき金額を予定しなければならない。」(861条)とされています。
一般的には、財産目録と一緒に収支予定表を作成することになります。

今後の後見業務の指針を示すものですので、この収支予定が杜撰だと、予定から大幅にずれた収支になりかねず、そうなると適切な財産管理といえなくなります。
過去の実績を踏まえて、できる限り合理的な予定を立てることが重要です。

各種の届出

行政機関

市役所の介護保険課、国民健康保険課、資産税課(不動産を所有している場合)などで届出をします。
これは、市役所から本人宛に届く書面(各種の通知書)の送付先を後見人の住所に変えてもらうためです。

年金関係は市役所ではなく、各地の年金事務所(高槻・茨木・摂津・吹田・島本町の場合は吹田年金事務所)に届出をします。

本人に家賃収入がある場合等、確定申告が必要な場合は、税務署にも届出が必要です。
ただ、税務行政上、成年後見人の届出というものがないので、後見人が「納税管理人」に就任する届出をしておけば、後見人住所に書類が届くようになります。

金融機関

本人が口座を持っている銀行や信用金庫には、成年後見人の届出をしておきます。

金融機関ごとに手続きや必要書類が異なるので、事前に問い合わせる必要があります。
どこの支店でも手続きができる銀行もありますが、多くは口座を開設している支店でしか手続きができないので、遠くの支店に口座を開設しているような場合は大変です。

なお、ゆうちょ銀行は、どこの郵便局の貯金窓口でも手続ができるので便利です。

親族後見のご相談

後見人に就任した直後は、やるべきことがたくさんあり、面倒な手続きを急いでしなければなりません。
当事務所では、親族後見人のサポートも行っております。

親族後見人として何か困ったことがあれば、成年後見の専門家である当事務所にご相談ください。

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