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判決に納得できない場合

上訴とは何か

日本の裁判手続(訴訟)は、「三審制」ということを聞いたことはあるでしょうか。
裁判所の判決に納得がいかなかった場合、2回までやり直しを求めることができる(合計3回審理が行われる)という制度です。

このとき、同じ裁判所で何度も審理するのではなく、判決を言い渡した裁判所より上位の裁判所(上級裁判所)に判断のやり直しをしてもらうことになります。
上級裁判所に判断のやり直しを求める手続きを「上訴」といい、上訴にはいくつかの種類があります。

なお、日本の裁判所の上下関係(審級関係)は次のとおりです。

簡易裁判所 < 地方裁判所 < 高等裁判所 < 最高裁判所

(家庭裁判所は簡易裁判所や地方裁判所と扱う事件が異なりますが、審級としては地方裁判所と同等、つまり高等裁判所の1個下です)

判決に対する上訴

控訴

第一審判決に不服がある場合の上訴を控訴といいます。

判決を出した第一審裁判所(原裁判所)が地方裁判所であれば高等裁判所、原裁判所が簡易裁判所であれば地方裁判所に対して控訴することができます。
控訴をするには、判決の送達を受けたときから2週間以内に、原裁判所に控訴状を提出します。

控訴状は、第二審が行われる控訴裁判所ではなく、第一審判決を出した原裁判所に提出しなければならない点に注意が必要です。

控訴には2週間という時間制限がありますので、その間に第一審判決をじっくり検討し、さらに反論の文面を考えたり新たな主張や証拠を追加するなどの準備をするのは大変です。
そこで、とりあえず控訴状では控訴をする旨を表明しておき、控訴の理由については「追って主張する」と記載して、後日控訴理由書を提出するという方法もよく行われます。

この場合、控訴理由書は、控訴の提起から50日以内に提出しなければなりません。

なお、第一審で一部勝訴一部敗訴という結果になった場合において、事件を長引かせたくなかったのでそのまま控訴をせずにいたら、相手方から控訴されるということがあります。
この場合、一方だけが控訴して、もう一方が時間切れで控訴できないと不公平であることから、例外的に2週間が過ぎても、こちらからも控訴をすることができます。
これを附帯控訴といいます。

上告

第二審(控訴審)の判決に不服がある場合に、さらにその上級裁判所に上訴する場合を上告といいます。

控訴裁判所が高等裁判所であれば最高裁判所、地方裁判所であれば高等裁判所に判断を仰ぐために上告をすることができる場合があります。
しかし、控訴の場合と違って、控訴審判決に不服があればどんな場合であっても上告できるのではなく、判決に憲法違反などの法律に決められた一定の理由が必要になります。
したがって、上告理由がなくて控訴審判決が確定することも少なくありません。

上告をする際は、上告状を作成し、原裁判所に提出します。
また、控訴の場合と同様、上告をした後に上告理由書を提出しますが、上告提起通知書の送達を受けた日から50日以内に提出しなければいけません。

なお、上告には、控訴審判決に対する上訴のほか、第一審判決について最高裁判所に上訴する場合も含まれます(第一審が高等裁判所であった場合などの特殊な例)。

判決以外の裁判に対する上訴

抗告

裁判所の判決に対する上訴は、控訴や上告ですが、裁判所の「決定」「命令」「審判」に対して上訴をすることができる場合もあります。
この上訴を抗告といいます。

抗告をする場合も、抗告状を原裁判所に提出します。

抗告ができる場合というのは、法律で個別に定められていますので、抗告ができないような決定・命令・審判については、それらが効力を生じた時点で即時確定することになります。

控訴等に関するご相談

第一審で希望通りの判決にならなかったのは、自身の主張が法律的に間違っている場合もあるでしょうが、必要な証拠が足りなかったとか、書面に書いた主張がうまく裁判官に伝わらなかったことが原因の場合もあります。

第一審の判決が控訴や上告で180度覆ることは必ずしも多くはありませんが、控訴によって第一審より有利な結果になることは少なくありません。

司法書士は、控訴審の訴訟代理人になることはできませんが、本人訴訟をサポートすることができます。
控訴審を自分自身で遂行したい方のために、当事務所では控訴審からの本人訴訟支援も行っております。

控訴審での逆転や有利な和解への望みをつなげたい方は、ご相談ください。

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