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離婚調停の基礎知識

婚姻関係を解消したいと思っても、当事者同士の話し合いでは離婚の協議がまとまらないことがあります。
例えば、相手方が離婚を拒んでいる場合や、双方が離婚を望んでいてもその条件(慰謝料・財産分与・子の親権・面会交流等)について合意ができない場合などが考えられます。
そんなときは、家庭裁判所を介して離婚に向けた話し合いを前に進めることができます。
このように、裁判所が間に入って離婚の話し合いを行う手続きが離婚調停です。

ここでは、離婚調停の手続きの概要をご紹介します。

調停手続の参加者

本人出頭主義

離婚調停を含む家事調停事件では、基本的に当事者本人(関係人)が出席しなければならないことになっており、やむを得ない事由があるときに限って代理人の出頭が認められます(家事事件手続法258条、51条)。

離婚のような家庭内の問題を取り扱う家事事件では、一般の民事事件と違い、裁判所が本人から直接話を聞かなければ事情を的確に把握できません。
そこで、代理人ではなく本人が手続きに参加することが重要視されているのです。
これを、本人出頭主義といいます。

調停委員会

調停手続を主宰するのは、調停委員会です。
調停委員会は、家庭裁判所の裁判官1名と家事調停委員2名以上で構成されています。

家事調停委員というのは、裁判所に所属する非常勤の公務員で、家事事件に関する専門的知識や豊富な社会経験を有する民間人から任命されます。

調停手続の進め方

離婚調停は、当事者の一方が調停申立書を作成し、これを家庭裁判所に提出することで開始します(※)

申立てが受理されると、当事者が裁判所に行く日(調停期日)が決められるので、その日に裁判所に出頭して、裁判所で話し合いが行われます。

調停手続における「話し合い」は、当事者双方が同席して話し合う場合(同席調停)もありますが、一般的には当事者がそれぞれ個別に調停委員と面談する方法別席調停(交互面接調停)が多く行われています。
当事者が面と向かって話をしないので、感情的な対立で話が進まなくなる事態を避けることが期待できます。

この「期日」が何回か設けられ、離婚へ向けた合意形成が行われます。
当事者双方の合意に至って調停が成立すれば、「調停調書」が作成されて、離婚が成立します。

調停成立から10日以内に申立人が市役所に離婚届を提出しなければなりません。
これは離婚成立を報告して戸籍に反映させてもらうためにするもの(報告的届出)で、離婚の効力自体は調停成立によって生じています。

※調停申立書など、裁判所に提出する書類の作成は、司法書士の独占業務です。
司法書士の資格を有しない人(弁護士を除く)が業として調停申立書等の書面の作成やその支援(相談に応じることも含みます)を行うと、たとえ無料であっても司法書士法違反(犯罪)となります。

審判離婚

最終的に合意に至らなかった場合は、調停不成立となります。
ただし、大筋で合意しており、離婚を成立させるのが相当だと考えられる場合は、「調停にかわる審判」がされて離婚が成立することがあります。
これが審判離婚ですが、異議が出されれば審判は効力を失います。

離婚調停に関するご相談

離婚調停について考えている方、手続のことでお困りの方は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

離婚は決まっているのに、慰謝料額で折り合いがつかない、離婚協議の内容をきちんと書面で残しておきたい、慰謝料の支払いを確実なものにしたい、など各種ご相談をお受けしております。

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