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離婚の慰謝料

離婚をする場合、気になるのが慰謝料の問題です。
離婚の協議をまとめる前に、予め知っておきたい離婚の慰謝料についてご紹介します。

2種類の慰謝料

離婚と慰謝料はセットのようなイメージがあるかもしれませんが、法的な位置づけとしては不法行為に基づく損害賠償請求です。

一方の有責行為によって離婚した場合に、他方が受けた精神的苦痛を賠償するために慰謝料が発生することになります。

したがって、慰謝料は、必ずしも「離婚のときに男性が女性に支払うもの」ではありませんし、お互いのすれ違い等を原因とする離婚などでは慰謝料が発生しないことも少なくありません。

離婚の場合に発生する慰謝料としては、理論的には、2種類に分類されます。
ひとつは、離婚の原因となった有責行為(例えば、「夫の暴力」とか「妻の浮気」など)による精神的苦痛に対する損害賠償(これを「離婚原因慰謝料」といいます)、もうひとつは、離婚によって配偶者の地位を喪失するということ自体による精神的苦痛に対する損害賠償(これを「離婚自体慰謝料」といいます)です。

ただし、理論的に区別できるものとはいっても、実際には「離婚原因慰謝料○円」「離婚自体慰謝料○円」のように個別に算定することはせず、原因たる有責行為から離婚に至るまでの一連を不法行為として、全体として「慰謝料○円」と定めることになります。

財産分与・養育費との関係

離婚した場合、夫婦はそれぞれ別の生活に移るわけで、それまでの夫婦の財産を清算する必要があります。
これを「財産分与」といいます。

財産分与では、「一切の事情を考慮」して決めることになっていますので、この「一切の事情」の中に、離婚原因となった有責行為を含めて算定することもあります。
そうすると、財産分与と慰謝料の関係が問題となります。

財産分与の額を算定するにあたって精神的苦痛に対する請求を含めていた場合には、それと別に慰謝料を重ねて請求することはできません。
他方、財産分与としては、夫婦財産の清算と生活保障としてのみ額を算定し、精神的苦痛の要素を考慮していなかった場合は、別に慰謝料を請求することができます。

離婚調停では、財産分与と慰謝料を特に分けず、「解決金」という名目で、一切の請求をまとめた金銭の支払いで決着をつけることが多く行われています。

これに対し、養育費というのは、夫婦間の問題ではなく、子の扶養義務に基づいて「子のため」に支払う金銭です。

離婚して親権者でなくなっても親子関係は切れませんので、養育するための費用は負担しなければなりません。

慰謝料と養育費は、全く性質が別の請求ですから、「慰謝料を多く払ったから養育費は払わない」というわけにはいかないのです。

慰謝料の相場

離婚による慰謝料というのは、個別の事情によって全く異なりますので、交通事故の慰謝料のように定式化されているわけではありません。

大まかに100万円~300万円程度が相場ともいわれていますが、安ければ50万円程度の場合から高ければ1000万円以上になることもあり、非常に幅が広くなっています。
双方に責任がある場合には慰謝料がゼロとなることもあります。

相場と比較するというよりは、年齢や双方の経済状況、関係修復への努力、不貞行為が原因であれば不貞行為相手との子の有無など、様々な要素の有無や程度を基に判断することになります。

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